「トマ・ピケティ『21世紀の資本』について」を「MMエッセイズ2」に掲載しました

ピケティは『21世紀の資本』の中で、西ヨーロッパなどの富裕国における富の格差の歴史的展開を、膨大なデータをもとに考察しています。
それによりますと、第一次世界大戦直前に空前の高みにあった富の格差は、二つの戦争の間の破壊等によりある程度解消されます。しかしながら戦後の経済復興と成熟を通じて、今や戦前とは少し違う構造で、多くの人が不適切と感じるほどの高みへと格差は再び拡大し始めているのです。
ピケティは、このような今まさに進行中の格差拡大を食い止め、そして解消するための税制も提案しています。このエッセイではこれら一連の議論の概要をまとめ、彼が是正の目標とする格差の程度と彼の人間観についても推察します。最後にスウェーデンの先進的な「緑の福祉国家」という考えと彼の考えの比較も行い、彼が提案する税制の現代的な意味にも触れます。
格差是正を目指す彼の資本に対する累進課税案は、いまでも傾聴に値するのではないでしょうか。

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